Morisawa Type Design Competition 2014

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レポート:タイプデザインコンペティション 2014 表彰式

2015年4月17日

「タイプデザインコンペティション 2014」の表彰式を、2015年3月20日(金)、UDXシアター(東京・秋葉原)にて開催しました。

「タイプデザインコンペティション 2014」には、和文部門・欧文部門を合わせて世界24の国と地域から386の応募作品が寄せられました。2014年11月に行なわれた審査では、これらの応募作品のなかから、独創性や審美性を追究した作品に贈られる「モリサワ賞」(金賞・銀賞・銅賞・佳作3点)、モリサワからの製品化にふさわしい優れた作品に贈られる「明石賞」が選出され、Webから投票を行なう人気投票「ファン投票」の集計と合わせて各受賞作品が決定。表彰式には17名の受賞者のうち11名が出席しました。

表彰式の冒頭で、株式会社モリサワ 代表取締役社長 森澤彰彦は、本コンペティション応募者への謝意を表わすとともに、受賞者へ祝福の言葉を贈りました。そして、2014年はモリサワにとっても、記念すべき年だったと述べました。

「モリサワは写真植字機の開発を起源としていますが、2014年は写真植字機開発90周年の年であり、『タイプデザインコンペティション』の原型となった『モリサワ賞 国際タイプフェイスコンテスト』の開催から30年目にあたる年でもあります。当時、文字はインクオンペーパー(印刷された紙の上で読むもの)が中心でしたが、インターネットやさまざまなデバイスの登場により、文字を画面上でも表現するようになりました」と、時代とともに変化する文字環境について触れ、「今後も『文字を通じて社会に貢献する』という社是のもと、さまざまなデバイスやメディアにおける文字、そして世界各国の文字文化に貢献していきたい」と挨拶を締めくくりました。

表彰式は、モリサワ賞和文部門の表彰から行なわれました。プレゼンターを務めたのは欧文部門の審査員および全体の審査員長を務めたマシュー・カーター氏。 「わかつき丸ゴシック」で金賞を受賞した浪本浩一氏、「陰翳明朝體」で銀賞を受賞した伊藤親雄氏、「重陽」で銅賞を受賞した岡﨑義一氏、「ハーモニー」で佳作を受賞した神田友美氏が順に紹介され、大きな拍手とともに登壇。マシュー・カーター氏からトロフィーが授与されました。続く欧文部門では、「Hola」で金賞を受賞したエリ・カステヤノス氏、「Chimera」で銀賞を受賞したマリア・デリオリ氏、「Kulin」で銅賞を受賞した浪本浩一氏、「Alcedo」で佳作を受賞した岡野邦彦氏がそれぞれ表彰を受けました。

明石賞の表彰では、モリサワ文研株式会社 代表取締役社長 森澤典久がプレゼンターを務め、「北原行書」で和文部門明石賞を受賞した井口博文氏と北原美麗氏、および「Kulin」で欧文部門明石賞を受賞した浪本浩一氏に表彰状とトロフィーを手渡され、浪本氏が和文部門モリサワ賞および欧文部門モリサワ賞でも受賞していることが紹介されると、会場は一層大きな拍手に包まれました。

ファン投票の表彰では、株式会社モリサワ 代表取締役社長 森澤彰彦がプレゼンターを務め、和文部門得票1位「五葉体」の作者・原山早苗氏、得票2位「えんそく」の作者・豊島晶氏にそれぞれトロフィーが贈られました。

表彰式の最後には、マシュー・カーター氏による総評が行なわれました。カーター氏は、まずプレゼンターとして受賞者に表彰状とトロフィーを渡すチャンスを与えられた喜びを語り、「欧文の審査員としてモリサワのタイプデザインコンペに参加するのは6回目となりますが、20年以上にわたってたくさんのすばらしい作品を見せていただきました。その中でも『タイプデザインコンペティション 2014』はもっとも評価が高いものでした。応募数こそ過去最多ではありませんでしたが、品質の高さ、バリエーションの多様さにおいては抜き出たものがありました。審査は大変厳しく、白熱した議論が行なわれ、受賞作品を選ぶために熟考しなくてはならない場面も多々ありました。今回の審査は難航を極めたと言えます。ですから、今回の受賞は、その審査を勝ち抜いて得られたものであるということをあらためてお伝えしたいと思います」と続けました。そして、さまざまなスタイルの書体が受賞した「タイプデザインコンペティション 2014」の特徴を次のように評しました。

「今回の応募作品は、スタイルのバリエーションがとても豊富でした。(欧文書体であれば)セリフ、サンセリフ、スクリプトなど、どんなスタイルでも応募できるということ、そして審査員がそれを受け入れる公平性、柔軟性を持っていることを理解いただけたのではないかと思います。このことをすべての応募者に対して強く伝えたいですし、未来のタイプデザインコンペティション応募者の心に留めておいてほしいと思っています」

カーター氏は総評の結びに、タイプデザインコンテストの目的はタイプデザイナーを育成し、発展させることにあるとし、「モリサワ『タイプデザインコンペティション』においても、今後もこの伝統が引き継がれていくことを強く望みます」と締めくくり、表彰式は幕を閉じました。

2012年、2014年と2年ごとに開催されてきたモリサワ「タイプデザインコンペティション」。次回は2016年の開催を予定しています。


入賞者に贈られたトロフィー(一部)