ハングル部門 モリサワ賞 佳作
Candlelight
Designer
イ・セビン(李セビン)
韓国
韓国出身。国民大学校テクノデザイン専門大学院視覚デザイン学科修士。2023年第31回ハングルフォントデザインコンテスト(한글 글꼴디자인 공모전)韓国視覚情報デザイン協会会長賞受賞。タイポグラフィ、視覚、映像など多様な分野でクリエイティブな作業を続けている。
審査員コメント
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沈愚珍Sim Wujin
モアスギ(ハングル字母を音節単位でまとめる表記方法)で文字を作るハングルは規則性が目立ち、プロスギ(ハングル字母をアルファベットのように横に羅列する表記方法)で作るラテン文字ほど自由奔放なスタイルを演出するのは難しい。この字体は、最初の子音文字の高さを基準にしており、プロスギの面白さを感じさせます。文字列の流れははっきりとしており、規則性が目立って見えますが、じっくり調べてみると、目立たないように例外を作り、子音が歪まないように工夫した跡を見つけることができますね。
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崔瑟杞Choi Sulki
ローマンアルファベットとハングルの構造の統合を試みた作品で、多言語活字体への拡張の可能性を示唆しています。組み合わせ型ハングル構造をローマンアルファベットのxハイト、アセンダー、ディセンダー構造と整列させたものですが、特にハングルで上線が強調され南アジアアルファベットを連想させています。造形的には、一部の字母の中の空間を正円として処理し、面白い視覚的特徴を生み出しています。
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閔ボンMin Bon
初声「ㅇ」と終声「ㅇ」、初声「ㅅ」と終声「ㅅ」の間にもっと論理的なつながりを与えていたらさらによくなると思います。
掲載している作品、プロフィール、制作意図、入賞コメントは、作者から提出された内容をもとに掲載しています。
制作意図
この作品の出発点は、『消えたすべてのものたちへ』という一節でした。
消えた何かに対する懐かしさを込めて
長いろうそく、ある程度溶け出したろうそく、すべて溶けて忽然と残った燭台、揺れるろうそく、空虚な穴を形象化しました。
書体ひとつだけでもグラフィック的な豊かさを感じられるようにデザインされた脱四角形の見出し用書体です。
どこにもない新しい形は強烈な印象を与えます。
入賞コメント
好きなことで良い成果をあげるというのは本当に嬉しいことです。由緒あるモリサワ タイプデザインコンペティションでの今回の受賞は、社会に出たばかりの私にとってかけがえのない勇気となり、気持ちの良いスタートとなりました。これからも新しく面白い活動を広げていきます。
誰かの心を響かせ、誰かの頭に感嘆符を植え付けるデザインをしたいです。感謝申し上げます。