繁体字部門 モリサワ賞 佳作

Ricebeam

Designer

林泰江Taijiang Lin

台湾

彰化県生まれ。大学院在学中に書体デザインの道を歩み始め、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。書体デザイン、イラストレーション、ブランドアイデンティティ企画に注力し、美しく楽しい作品の創作を目指す。

  • 制作意図

    Ricebeam (本丸楷體) は台湾の街頭風景からインスピレーションを受け、楷書の優雅さと丸ゴシックの丸みを融合させた書体です。書体のデザインは密度が高く、ふっくらとしており、まるで米粒の繊細な食感を思わせます。台湾特有の甘さと塩味が調和したクラシックな風味を漂わせ、その独特な風格は特にタイトルデザインや短文のレイアウトに適しています。

  • 入賞コメント

    日常のささやかな瞬間にヒントを得て、現代の街角の文字風景を捉える試みを始めました。これらの作品はまるで芽吹いたばかりの種子のようで、このコンテストの過程で起こったすべてのことに非常に感謝しています。大きな励みをいただき、作品をさらに成熟した形へと発展させる自信を得ることができました。

審査員コメント

  • 廣村正彰

    柔らかく正方形の文字の輪郭は心地よい印象を与え、字面も揃えて整然としています。
    重心が高く、品格も感じさせます。小さな文字でも優れた視認性を持ち、ディスプレイ書体としても適していて、英字と数字のデザインも漢字と調和し、一体感のある仕上がりです。

  • 許瀚文Julius Hui

    縦書きの構成が美しく、横書きの読みやすさも比較的安定していますね。さらに、面白くて可愛らしい筆画が、見出しとしての視認性と生き生きとした表情を両立させています。選ばれた線の太さは、異なる筆画の流れを適切に表現しており、丸みを帯びたデザインがうまく表現されています。まさに優れた作品です。

  • 何婉君Ho Wan Chun

    この書体はレトロな情緒を醸し出し、筆画が自然で流れるように滑らかで、人間味ある雰囲気を持っています。字形の比率と間隔が見事に調整され、手書きのような感覚がこの書体の特徴をさらに引き立てています。書体の特色は鮮明でありながら派手さを抑えた、とても魅力的なデザインです。

掲載している作品、プロフィール、制作意図、入賞コメントは、作者から提出された内容をもとに掲載しています。