繁体字部門 モリサワ賞 佳作

SuSeng

Designer

陳志泓Chìhông Tân

中国

深圳生まれ。グラフィックデザイナー。文字を書くことが好き。旅行中に文字を撮影することも好きで、世界中の文字に興味が尽きない。過去に「蘇州号碼フォントデザインコンペティション」で優秀賞を受賞。書体デザインの知識はインターネットと書籍を通じて学ぶ。

  • 制作意図

    「SuSeng (思成) 」という名称は、建築家である梁思成の図鑑の手書き文字からインスピレーションを受けています。この書体は古雅な趣のある骨組みを持ち、伝統的な書法の強い太さの変化とは異なり、注釈テキストのレイアウトに適しています。この書体の位置づけは、手稿のテキストレイアウトや短い文章のレイアウトに異なる気質を提供することであり、温かみのある人間味を伝えることを重視しています。過度に騒がしい印象や古臭い印象を避け、伝統と現代の間で遊走する気質を持っています。

  • 入賞コメント

    梁思成の手書き原稿は非常に人気があり、インターネット上で多くの人に共有されています。私はデザインに携わる前からそれを見ており、ずっと忘れられませんでした。繁体字のデザインコンテストに参加する機会はなかなかなかったので、今回、長年頭の中にあったアイデアを実現したいと思いました。このコンテストで多くを学び、非常に感銘を受けました。審査員の評価に感謝し、自信を持つことができました。今後も引き続き頭の中のさまざまなアイデアを実現していきたいと思います。

審査員コメント

  • 廣村正彰

    石に刻まれたような古代篆書を思わせる書体ですが、現代的に洗練され、軽やかでグラフィカルな印象です。篆書の要素を現代的なゴシック体に取り入れることで、歴史的な趣と現代的な感覚が見事に融合しています。ロゴにも適しています。ユニークで独創的なデザインが際立っています。

  • 許瀚文Julius Hui

    作品の各文字には特徴が満ちており、「心」の処理や「後」の字には隷書の特徴が見られ、とても創造的です。レイアウト後の統一性については、実際の適用例を見るまではわからない点も残ります。しかし、このデザインで最も興味深いのは、この書体が独特で楽しい雰囲気を放っている点です。文化的な側面を持ちながら、空気感も感じさせています。デザイナーの作品に対する想像力がよく表現されていますね。

  • 何婉君Ho Wan Chun

    この書体は、爽やかなデザインスタイルで幾何学的要素と手書き要素を組み合わせ、軽やかでありながら文芸的な雰囲気を醸し出す視覚効果を表現しています。字形の骨格デザインがユニークで、ラテン文字の延長部分にも工夫が見られます。特に自由な発想による応用において、芸術性が発揮されそうです。

掲載している作品、プロフィール、制作意図、入賞コメントは、作者から提出された内容をもとに掲載しています。