特別審査員の小塚昌彦氏、明石賞を担当される森澤典久氏(モリサワ文研株式会社社長)からのメッセージを掲載しました。
(敬称略)
小塚 昌彦
「手で描いた一本の線にも始めと終わりの認識がある。幾何学的な意味では別だが」。これはA.フルティガーの言葉だった。どのような造型から発想しようともそれが文字で、さらにタイプフェイスとして機能する時には美しい日本語として「聞こえて」くるようなデザインであって欲しい。少々抽象的に過ぎるけれども、要は心が伝わるような作品。それはメディアが変化する今日でも変わらない。特に若い生命力ある作品を期待したい。
森澤 典久(モリサワ文研株式会社社長)
現在世界中には数多くのタイプフェイスが存在しています。新たなタイプフェイスを作り出すことは、困難も大きいかもしれません。しかし、伝統的な書体も工夫の余地は十分にあります。2012年のタイプデザインコンペティションでは伝統的な書体の応募が少なく感じたので、今回は大いに期待しています。
一方、独創的かつ画期的な書体の応募にも非常に注目しています。独創性を維持しつつ、個々の文字を確実に機能させることは容易ではありませんが、未来に向けた力強い多様なタイプフェイスが登場することを期待しています。使い手にも作り手にも影響を与えるような、熱意あふれるみなさんの作品との出会いを心から楽しみにしています。
明石賞とは?
モリサワからの製品化にふさわしい優れた作品に贈られます。「明石賞」の名称は、モリサワフォントの制作を担うモリサワ文研株式会社の所在地が明石市(兵庫県)であることに由来しています。
明石賞の選定にあたっては、和文部門、欧文部門の審査員も審査に加わります。
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